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日本の情報サービス産業の誕生は1960年代です。当時はコンピューターの価格が大変高い時代でしたので、余程の大企業か政府機関でなければ自ら導入して利用することはできませんでした。
そこで、大型コンピューターによってユーザーに計算サービスを提供する 「計算センター」と呼ばれる情報サービス企業が誕生しました。多くのユーザーが計算センターを利用することで、いわばコンピューターを共同利用していたわけです。
コンピューターの利用範囲が拡大し、次第にソフトウェアの重要性が認識されるようになり、ソフトウェアの開発を専門にする企業が出てきました。いわゆるソフトウェア・ハウスです。その後、ソフトウェア開発の仕事が急速に増え、1983年にそれまでの計算サービスに代わってソフトウェア開発が業界売上高のトップになりました。
現在ではソフトウェア開発とパッケージソフトの開発・販売で業界全体の売上高の60%以上を占めています。
IBM 9020
System/360 コンピューター50台を接続。
マルチプロセッサシステムに適合したFAA(アメリカ連邦航空局)のための航空交通管制システム
コンピューターの性能の向上と共に価格が安くなってきたため、多くの企業が自らコンピューターを導入するようになりました。そこでかつての計算センターは、コンピューターとネットワークを結びつけ、企業間のデータ流通を行うVAN(付加価値通信網)と呼ばれるサービスを始めました。
ユーザーである大企業の中にも、多くの情報処理技術者がいます。1985年前後、多くのユーザー企業がコンピューター利用に関する技術や経験を活かすため、情報処理部門を切り離して別会社を作りました。その結果、ユーザー系と呼ばれる新しい情報サービス企業が増えました。
コンピューターを使って処理する仕事が複雑になり、ネットワーク、ソフトウェアなど情報技術が高度化してくると、ユーザー自身が情報システムの構想を練ることが難しくなります。そこで1990年ごろから、技術力の高い情報サービス企業に一からシステム構築を依頼するケースが増えました。
このように情報システムを全部まとめて作る企業のことを「システムインテグレーター」と呼び、業界のリーダー役になっています。
企業間の競争が激しくなると、企業はできるだけ本業を強化し、その他の機能を外部企業にまかせることで経費の削減を図り、競争力を高めようとします。その一環として、企業が保有する情報システムの運用保守管理を専門の情報サービス企業に外部委託することが増えました。これをITアウトソーシングと言います。
ソフトウェアやハードウェアの新たな利用サービスとして、クラウドコンピューティングを提供する情報サービス企業が増えています。また、無料でeメールやアプリケーションが使うことができ、文書やデータ管理に数GB確保されているサービスもあり、高性能なスマートフォンやタブレットPCの普及とあいまって、個人利用者も爆発的に増えています。
産業・社会における情報システムへの依存度が高まる中、情報システムに対する安全性・信頼性の確保、個人情報などの情報資産の保護において、適切な措置が求められるようになりました。
それにより、私たち情報サービス事業者にも高い信頼性が要 求されるようになり、ISMS(Information Security Management System)やプライバシーマーク等、情報セキュリティ管理を確立するための認証取得に取り組む事業者が増加しています。